きちんと痛いと安心する、泣くのは違う。
きょうは朝から、とにかく虫の居所が悪かった。
性格悪い日、それも3〜4ヶ月に一度くらいの割合で訪れる、超絶周囲を邪険に扱いまくる、わたしちゃん自分のことで精一杯なんだから、ちょっと道あけてよ押さないでよ横入りしないで! いつもみたいに譲る余裕なんてないんだよきょうは、みんなみんなみんな邪魔だ邪魔だ邪魔だどいて邪魔って、なんでみんなわかってくんないの。
頭のなかが、日に日にぐしゃって、一度ぐしゃってしまったら、もうまっさらな状態になんて戻れない。
しわが多いほうがいいなんて、なんにも知らないから明け透けに言えるんだ。
ひりひりする。
深くは咲けないし、たぶんしばらくつづいてしまうから、不注意で赤ペンが走ってしまった程度。
知ってる、これってかまってちゃんアピールの一貫でしかないってことぐらい。
だけど、だれに見せるわけでもない。
今度、ポートレート撮らせてって言われていて、傷があれば、そんなに肌を露出させなくてもすむかなって、きっと無駄な抵抗なんだろうけれど。
だってむしろ、それが撮りたいって言いだしそう。
飛んで火にいる夏の虫。
ああ、そういうこと。
わたしちゃんは夏の虫か。
だから、不機嫌なのか。
赤ペンで、どうせならはあとまあくでも描けばよかった? だっさい。
つまらない、燃え尽きる直前の塵の軌跡は左のふくらみ。
おやすみ、自暴自棄になれたら、せかいは薔薇色。
だれか、嘲笑をちょうだい。
とどのつまり、狂ってしまえよ。
あこがれは、かなわない、とどかないように思えて、人並みに理性がじゃまをしているだけなんじゃないか。
凡庸という羞恥。
せかいは、このせかいは、わたしはこのせかいを、手にいれられない。
狂ってしまえるだけの、覚悟がまだ、まだ全然足りない。
だから、だれか嗤って。
おやすみ、なんて律儀さ、いちいち必要のないせかいが欲しい。