かなしくなったら、魚の気持ち

生まれ変わったら一頭のくじらになりたくて できれば水素原子くらいちいさくなりたくて かなうなら素数のひとつに仲間入りしたくて ひとだからさきおとといのことを後悔します おやすみはにー♭ 【Yoga Alliance US Teacher Training 200 修了(First class)】

「うたの日」

セラムンも夢も魔法も冒険も少女漫画はなかよしだった

うたの日 短歌 2020-0026 セラムンも夢も魔法も冒険も少女漫画はなかよしだった 低気圧襲いかかればやまいだれまみれの朝だ、おふとんの国 好きだったときのあなたはイケメンで冷めればただのダメンズだった 【kindle ことことこっとん】 美少女戦士セーラー…

道ゆきは未だ定まらないけれど たんぽぽの花 綿毛となりぬ

うたの日 短歌 2020-0027 いくつもの小さな森が弁当の隅を彩っているブロッコリーる 車窓から臨む生活いくつものお隣さんでつながつている 道ゆきは未だ定まらないけれど たんぽぽの花 綿毛となりぬ 【kindle ことことこっとん】 スケーター 弁当箱 曲げわっ…

🌹 不確かな明日のことは後にして湯船に浮かぶアヒルみたいに(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0025 ✿不確かな明日のことは後にして湯船に浮かぶアヒルみたいに 身が先か穴が先かを問いぬればオールドファッション哲学となる 謎めいていた方がほら魅力だしアカウントなら8つ持ってる お題「気分転換」 【kindle ことことこっとん】 …

🌹約束は口約束でしかなくて春に背いて散る六花あり(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0023 ✿約束は口約束でしかなくて春に背いて散る六花あり 椿落つごと潔く終わらせたつもりの恋路なほ胸穿ち この恋に免疫なんてありえない深く落ちれば落ちるほど愛 お題「恋バナ」 【kindle ことことこっとん】 GO 発売日: 2015/08/01 …

暁にきらめく砂礫 水平線 黄金がなぞる夢の輪郭(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0022 物言わぬ赤きくちびる永遠をとじこめたはる関節人形 春射せばひらひらひらり踊るやう財布の紐もにわかに緩む 暁にきらめく砂礫 水平線 黄金がなぞる夢の輪郭 お題「わたしの黒歴史」 【kindle ことことこっとん】 吉田式球体関節人…

占いで相性よかったことなんて一度もないし信じないけど(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0021 占いで相性よかったことなんて一度もないし信じないけど くたびれたトレーナーはねてる寝癖 火曜5限のあいつの背中 凛々しさを分けておくれよ野良の猫 猫撫で声のあの子に勝ちたい 【kindle ことことこっとん】 anan SPECIAL 運命…

じゅんわりと沁みゆく朝を幸福と呼べば焼き立てパンの行列(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0020 とりどりのマスクの下じゃ誰彼も、ほら変顔の練習中だ 公園を横切るあの仔もさもさで目付きの悪いいつものグレー じゅんわりと沁みゆく朝を幸福と呼べば焼き立てパンの行列 【kindle ことことこっとん】 冷蔵庫で作りおきパン いつ…

人知れず咲く花もまたあるだらう霞の地にも春は等しく(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0019 衛星が夜を横切るただしづかそれだけのこと思ひ澄ませば 彼方より歌う呼び声葬列のいちばん後ろまた会ふ日まで 人知れず咲く花もまたあるだらう霞の地にも春は等しく お題「思い出の一枚」 【kindle ことことこっとん】 星と神話 物…

最果てに季節はめぐり端々に世界を染める鱗粉の舞う(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0018 最果てに季節はめぐり端々に世界を染める鱗粉の舞う春の色 萌黄、若草、薄縹 子らの戯れ、母の眼差し通り雨駆けるけるわたしにきみは言う「濡れるの別に嫌いじゃないんよ」 今週のお題「ホワイトデー」 【kindle ことことこっとん】…

一輪の栞を綴じて返しますあなたはきつと気づかないから(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0017 好きだった青空だった冬だった永遠なんてことば信じて 一輪の栞を綴じて返しますあなたはきつと気づかないから 結び瘤ほどけないやうきつくして来世もきつと会へますやうに 今週のお題「卒業」 【kindle ことことこっとん】 天使の…

春風がスタッカートでやってきて八分休符でつぼみほどけた(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0016 梅ふふみ菊桃ひらき花咲かむあたたかき午後山辺に来たる 羽化を待つ妖精たちは春告げるミモザの褥ひめやか眠る 春風がスタッカートでやってきて八分休符でつぼみほどけた 【kindle ことことこっとん】 春風 発売日: 2017/04/01 メデ…

バス停で誰を待つのか春色のストールふうわり日差しを孕む(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0014 ミルフィーユ生地を一枚ずつ剥がすやう猫も手癖も剥がされてゆく バス停で誰を待つのか春色のストールふうわり日差しを孕む あのねのね、わたしとつてもうれしいの あなたがいて、わたしがいること 【kindle ことことこっとん】 プ…

頬染めるひとひらひらり春の雪お元気ですか届きましたか(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0013 口元のふたつの黒子気にしてるこいぬ座みたいで可愛いのにさ 頬染めるひとひらひらり春の雪お元気ですか届きましたか おはなしは続くめでたしめでたしのあと現実になるまでずつと 【kindle ことことこっとん】 Love Letter [DVD] 出…

ル・アーヴルの港は霧の朝 やがて印象派へとなりにけるかな(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0012 もし君のかなしみひとつワープして拭えたならば 切なさばかり 診断は活字中毒この飢えを凌ぐ処方はおわかりですね ル・アーヴルの港は霧の朝 やがて印象派へとなりにけるかな 【kindle ことことこっとん】 ポスター:クロード・モネ…

今生で結ばることのない宿命ならば鬼籍であなたを娶る(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0011(楢﨑古都) 今生で結ばることのない宿命さだめならば鬼籍であなたを娶る この恋はカカオ80%寄せる想いにしのばすコロン 将来の夢を書く欄空欄で未だ何者でもないわたし 今週のお題「大切な人へ」 【kindle ことことこっとん】 ヴィ…

薬指なくした朝のことでした泣きじゃくるほど空は高くて(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0010 二枚目の羽織落としに見るような恋してみたし請はれてみたし シリウスも霞むまばゆい晩のこと窓枠に裁ち鋏の遊行 薬指なくした朝のことでした泣きじゃくるほど空は高くて お題「恋バナ」 【kindle ことことこっとん】 シリウス アー…

ぐちゃぐちゃになるまで煮詰む冬の陽にとけゆく果肉飴色の午後(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0009 君がいて僕たちがいたあの街の再開発が今夜はじまる シマウマのかなしみ思案する人の曖昧ささへ愛ほしくて ぐちゃぐちゃになるまで煮詰む冬の陽にとけゆく果肉飴色の午後 お題「今日の出来事」 【kindle ことことこっとん】 ボンヌ…

冬の日はそつと小指に結ばれてまだ見ぬあなた探しています(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0008 冬の日はそつと小指に結ばれてまだ見ぬあなた探しています ポケットにいつかの君がくれた歌「たいせつなひとはできましたか」 転校の初日ズックに舞い込んだ小石そのままお守りにする 【kindle ことことこっとん】 きみの町で 作者:…

ほの白く夜明けに昇る月の顔涙に濡れる君はうつくし(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0007 ほの白く夜明けに昇る月の顔涙に濡れる君はうつくし 泣いていいふせた睫毛のベルベットこぼれ落ちてく感情の海 霜柱踏むとき君の足取りはちょっと浮いてるいってらっしゃい 【kindle ことことこっとん】 「霜柱の研究」について 作…

紫野いとしづかなる朝なりて都忘れのひとひら咲かむ(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0006 紫野いとしづかなる朝なりて都忘れのひとひら咲かむ 父母と異なるわたしの指先は亡き祖母の爪そつくりといふ 甘皮を処理するあいだ恋人は水槽覗きみる熱帯魚 【kindle ことことこっとん】 NHK「100分de名著」ブックス 万葉…

片仮名のカッコイイが似合わないその無骨さを愛していました(楢﨑古都)

うたの日2020-0005 片仮名のカッコイイが似合わないその無骨さを愛していました さざなみは巻貝上の双曲線よせてはかえす衣擦れの音 そばにいてもつと愛して欲しかつた欲しがるばかり失つた夜 お題「プロポーズ」 【kindle ことことこっとん】 スプーン 作者…

まるこぽろ遙かジパング思ひ馳せ東方見聞録ぞ記したる(楢﨑古都)

うた202001−4 まるこぽろ遙かジパング思ひ馳せ東方見聞録ぞ記したる ふつふつとホットケーキは焼けてゆきわたしのひそかもあまくただよふ 橙々はお祭り屋台照らす色おもちゃの指輪もきらきら灯る お題「思い出の味」 【kindle ことことこっとん】 マルコ・ポ…

ソナチネのような毎日でしたもう二度とふり返らない、さよなら(楢﨑古都)

うた202001−3 閉めきりの部屋で過ごした二年間 隙間のきざし遠かつた朝 したためる所作も忘れた果たし状または恋文どれもゴシック ソナチネのような毎日でしたもう二度とふり返らない、さよなら お題「恋バナ」 【kindle ことことこっとん】 転職祝いに岩手…

額縁に縫いとめられし少女たち囀りまでも時をこえゆく(楢﨑古都)

うた202001−2 ひとしきりあなた想つて泣いたので小さな海を漕ぎだしてゆく 額縁に縫いとめられし少女たち囀りまでも時をこえゆく 胸のうち告げられずいま思い出は三十一文字のリズムとなつて 額縁に縫いとめられし少女たち囀りまでも時をこえゆく『 少 』 楢…

結ひあげる今日までの日々茜色やがて群青束の間の恋(楢﨑古都)

うた202001−1 「うたの日」という、Web上でまいにち開催されている歌会に 今週投句したお歌のうち、気に入ったものを3つ。 歩いているとき、ふいに拾った感情や気づいた変化を 忘れずにいられたらいいのにって、ずっと思っていて。 見つけた情景を、半日か…