かなしくなったら、魚の気持ち

生まれ変わったら一頭のくじらになりたくて できれば水素原子くらいちいさくなりたくて かなうなら素数のひとつに仲間入りしたくて ひとだからさきおとといのことを後悔します おやすみはにー♭ 【Yoga Alliance US Teacher Training 200 修了(First class)】

××よい子は真似してはいけません××

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✿研修帰りの道すがら

 

病院で処方してもらっている抗うつ薬を、

勝手に1日4錠から6錠に増やした。

1年くらい、毎日4錠飲んできた。

月に一度の受診は(ごほうびドーナツの日)

きっかり4週間とはいかないから、

あまったり、飲み忘れたりして、

ストックがプラス半月分くらいある。

「余っている薬はない?」

先生は毎回聞く。

わたしは一緒に処方してもらっている抗不安薬2種類を、

いざというときのために1シートでも多く手に入れたくて、

「とんとんです」

そうこたえる。

正直、抗うつ薬は飲みはじめも飲み終わりも

副作用がひどいから、余分にはいらないんだけど

抗不安薬が欲しいから、おなじだけもらいつづけている。

一年前、一年半前、二年前、

くらべてみれば、いまのわたしはほんとうに見違えた。

三年前のわたしとは、もう違うけれど。

わたしは職場でちゃんと笑えるようになったらしいし、

表情もゆたかに戻ったらしい。

まるで家族みたいに心配してくれる。

だけど、

「はやくよくなってほしいから」

励ましに、わたしは笑ってうなづく。

そんな余裕、ほんとうはないくせに。

それでも、元気になったのは事実で。

抗うつ薬が時間をかけてちゃんと効いてくれて、

ここまで回復したのかな。

前置きが長くなっちゃった。

抗うつ薬飲んでるのにね、逆戻りしちゃいそうだなって。

なんか、この一年ぐるんぐるんしちゃってたことが

あっけなく、

「あらまあ、おばかさん」

あっさり片付けられてしまいそうな、自己嫌悪。

わたしは、ひとりで立てないから、

抗うつ薬なんて飲まなくちゃいけなくなったんだし、

ひとりになってもかまってきてくれるから、

わけわかんないまま安心してしまっていた。*1

だけど、いきなりだなあ。

あれは、だれでも勘違いしちゃうんじゃないかな。

わたし、ふつうじゃないけどかなりの真面目っ子だし、

超純情だから、ぜーんぶ勘違いしちゃった。

まいったな。

不特定多数を相手にするなら、平静をたもって

笑顔で受け答えして、ふつうでいられるんだけど。

というか、職場。

お仕事は、お給料もらってるから、責任がある。

だけど、自分に対しては責任も義務もなにもない。

人とすれ違うのも疲れてしまうんだ、未だに。

だから、週末は引きこもり。

小説書いてるし、お部屋好きだし、全然かまわない。

ただ、大事なともだちが誘ってくれて、

会いたいなっておもって約束をしても、

当日ドタキャンしてしまう自分がいて、

ああ、しばらくわたしは、

週末はぼんやりしてなくちゃだめなんだなとおもった。

最寄駅までいくのもしんどい。

だから、部屋まで来てくれる、殊勝な友だちとだけ。

休日の都心なんて、人混みに吐き気がする。

わたしは、そんな理由で、自分がいちばん楽な場所へ

だれもかれも簡単に招いてしまっていた。

ああ、そっか、わたしだ、わたしがそもそもの元凶だ。

わたしが、平気で部屋になんてあげるから、

ああいう勘違いを生む結果になったんだ。

しかも、うまく感情表現できないバージョンのいまのわたしで

されることはされるままに受け入れて、

それはまるで恋人同士のふれあいに類似して、

わけわかんなくなりながら、

わたしは安心してしまっていた。

書いていくと、自分が見えてくるの、つらいね。

(むかしは大学ノートだったな、青き頃)

ただ、逆戻りしちゃいそうな気配だけは感じとったから、

わたしはおもむろに抗うつ薬を4錠から6錠に増やしました。

脳内を、もっともっともっともっと!

セロトニンでいっぱいにして *2

より人為的に落ち込みを回避できないかしらって。

6錠に増やして4日目。

効果は、あらわれているのかもしれない。

だってきょう、会社帰りにヨガへ行けた。

1ヶ月半ぶりだよ、しかも研修行って戻って仕事して、それからだよ。

大好きすぎるインストラクターのお姉さんが、

「ならざきさん……!」

って、わたしの顔を見るなり出迎えてくれた。

帰るときも、後片付けをしていたのに、

手をとめてわざわざ見送りに来てくれた。

とってもクールなのに、普段はさっぱりしているのに、

わたしがだらしないから通えていなかったのに、

彼女に心配をかけたことで、

思いもよらぬ特別をもらってしまった。

本末転倒なはなしだけれど。

だれかが、わたしの来訪をよろこんでくれる。

それは「やさしい」。

そうだ、このあいだ親戚のおじさんも

「すいそちゃんに会えた」

と笑顔で迎えてくれたのだった。

母から、

従兄弟のお兄ちゃんのお店で、

田舎から出てきたおじさんたちと食事をしてます云々……

ちょこっとだけ残業した帰り道だった。

乗り慣れていない電車に乗るのは緊張してしまうから、

無駄に胸痛くするのも吐き気催すのも頭痛引き起こすのも

あほ以外のなにものでもないし、前々からの約束だったら

きっと気負いしてドタキャンしてた。

だけどわたし、ちょうどいまから電車に乗って帰るところで、

大好きなおじさんと大好きな従兄弟のお兄ちゃんのお店で

会えると思ったら、勢いで飛び入りできちゃったんだ。

仕事中にお誘いしてもらえると、

身支度して化粧して、すでに外へも出てきているから、

自分のテリトリー内であれば会いにいけるらしい。

もういっこあった。

「都心のおすすめのお店でご飯を食べよう」

わたしが週末を希望したのに、当日ドタキャンしてしまった

友だちは、あらためてこちらからのお誘いもできないでいた。

「今夜飲まない?」

仕事中、いきなりそんなメールがきて。

終業まで、あと2時間。

「行く!」

ふたつ返事をしたわたしは、その日友だちに会うことができた。

 

こういうつらつら、ひっさしぶりだなあ。

涙がこぼれないのは、

存外、抗うつ薬のせい……おかげ、なのかもしれない。

一年半前のわたしだったら、こんなんではいられなかったもの。

泣くのは、とてもくるしかったけれど。

どうやら、いまは泣きたいらしい。

泣けないのも、つらい。

わけわかんなくなっちゃった。

わたしは、感情をどこに置き忘れてきてしまったんだろうね。

胸が痛い。

呼吸がしづらい。

なつかしい、苦しいがよみがえる。

 

おやすみ、見限ったか見限られたせかい。

 

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お題「ひとりの時間の過ごし方」

「あの商店街の、本屋の、小さな奥さんのお話。」初恋本屋。 (花とゆめCOMICS) にゃんこ飼いたい……