人魚たちのイーハトーヴ
来月の文学フリマに向けた、合評会だった。
全然、書けていないのはわかっていて。書けていないのをわかっていることを言い訳にしていて、小説として成り立っていないとまで言いきられたのに、わたしは落ち込まなかった。わかっていたから? そうだね、わたしはわたし自身を理解していないことをわかっている。自信がない、信じきれない、思いこめない。このわたしがなにかを成し遂げるような人間になれるなんて、夢にもおもえない。それでも書くことしか取り柄がなくて、書かなくなったらどこにでもいるただのひとで、ただのひとに成り下がることは、とてもつらい。
ひとがこわい。人混みがこわい。人間という生き物と対峙することがこわい。
わたしはわたしと向き合うことがこわい。
やわらかな呪縛にからめとられた、繭のなかはとてもお気楽。
守られているつもりなのね、その繭は羊水の代わりなんかじゃないのに。わたしはわたしの繭になって、ゆりかごをゆらし、子守唄をきかせ、寄りそい、あまやかす。
おやすみ、人魚たちのねむるせかい。
しばらく読んでいなかった、10代の頃むさぼり読んだ詠美ちゃん。
詠美さんを「ちゃん」呼ばわりする友だちが言った。
わたしは、わたしの内面をえぐれ。
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
【参加します】
2016年05月01日(日)
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
小説|純文学
星屑と人魚 ほしくずとにんぎょ
❋新刊 : 2016春夏号 「・・・・と人魚」
今回は少数精鋭でぎゅむっと3編
長編☓中編☓短編です。
❋ 既刊 : 2015秋冬号 「いばら姫と人魚」
淡々として凶暴
よりそう体温が宿木の命を蝕んでいく5編
❋ 既刊 : 2015春夏号 「星屑と人魚」
ゆりゆりとして艶めかしく
女々しく見せかけて たいそう強かな10編
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。