かなしくなったら、魚の気持ち

生まれ変わったら一頭のくじらになりたくて できれば水素原子くらいちいさくなりたくて かなうなら素数のひとつに仲間入りしたくて ひとだからさきおとといのことを後悔します おやすみはにー♭ 【Yoga Alliance US Teacher Training 200 修了(First class)】

咲く

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❀Bloom❀❀❀

 

好きです。大好きです。

 

好きだったよ。大好きだった。

 

また、愛しいとおもえるかもしれない。

もう、愛しいとおもえなかった。

 

セックスで、感情を図るなんて、そんなことが可能なのね。

ああ、でもそんなわたしちゃんも、似たようなものかな。

わたしちゃんは、さびしさを埋めるために、ただやさしくされたくて、あの日、あなたに身をまかせてしまった。

あれは、からだを売ったのとおなじだった。

たとえそれが擬似的な安心感であっても、あのときはそうするしか自分の心を保つ術がなかった。

 

きみは、まだわたしのこと、なにも知らないじゃない。

それでも、大好きです。

きみが見ているわたし、きみが好きですと言ってくれるわたし、それはすっかりすっぽり猫かぶり。

きみはあのひととは違うね、とてもやさしくて、とても誠実。

だから、わたしたちは疑心暗鬼に陥ることなく、きみにあまえられた。

耳もとでささやかれる。

大好きです。

ああ、でもごめん、きみが好い てくれているわたしは、ほんとうのわたしのほんの3割程度、かわいい子ぶりっ子している、かよわい女の子を演じて心配してって寄りかかった。

会いにきてくれてありがとう。

大丈夫ですよって、言ってくれてありがとう。

ただ、抱きしめてくれてありがとう。

なにも聞かずにいてくれてありがとう。

好きなのに、きみに、好きって、言えなくてごめん。

好きって、ことばの意味はひとつきりじゃないのね。

残りの7割をきみに見せてなお、耳もとで、ささやいてもらえる自信がわたしたちにはないの。

 

咲いても、散ってしまうんだ。

 

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星へ落ちる (集英社文庫)

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