嵐のように訪れて、嵐のように去っていくの
わかりあえないはずないって思っていたのにね。嵐のように訪れて、嵐のように去っていくの。きっとたくさん考えすぎてしまうのが、わたしたちの世間とずれてしまう部分なんだろうな。どうして想像できないの?って思ってしまうから。想像しつつ、あーしょうがないなーそんなもんだよねーって、ため息もがな高みの見物ができるようになることが、人としての成長か。
たまに、いいなあと思うひとがいて。彼らはとても思いやりがあって、こころがひろく、大抵のことはあらあらまあまあ、とひとまず受け入れてしまう。ずいぶんひどい人と対面しても、わたしちゃんたちみたいに顔に出たりしない。もしかしたら、お腹の中では、ひゃーとんでもなーいって思っているかもしれないけれど、その場はとっても大人対応で、まず人に嫌な思いをさせない。
世の中みんな仏になったら、この世からは憎しみなんて消えるのだろうけれど、そうしたらここが浄土になってしまうね。人はぐちゃぐちゃしてるから生きているんだっけ。でもそれも、もう少し解脱できたなら、生きやすいんじゃないのかなあ。できないから、しんどいね。
わたしちゃんは、おごっていたんだろうか。いまだって、頭の片隅ではどうして? なんで? って思ってしまうのだ。だって、大事じゃなかったの。あなたはわたしのこと、なにがあったって受け入れてくれなくちゃ、もう無理だなんて、言っちゃだめじゃん、あなただけは。全然わからない。わからないは、わかりあえない。
いつかきっと、いまを思いだして、あのときはしんどかったよねーって馬鹿笑いできるようになる。そんな日がくることを知ってる。心底しんどかったことも、忘れてしまえることを知ってる。
でも、またこうなるかもしれない不安はもう消えないかもしれない。つらい、しんどい、そういう気持ちを、ぜんぶ受けとめてもらえると思ってしまっていたから。いまは、どうしたらいいのか、全然わからない。
ただ、わたしは傷ついてしまって、自分にこんなかなしみが訪れるなんて思いもよらなかったから、いますぐ 007 の Daniel Craig がわたしちゃんたちのことを迎えにきてくれるくらいの Huge Surprise が起こらない限り、立ち直ることは不可能に近いのだ。