かなしくなったら、魚の気持ち

生まれ変わったら一頭のくじらになりたくて できれば水素原子くらいちいさくなりたくて かなうなら素数のひとつに仲間入りしたくて ひとだからさきおとといのことを後悔します おやすみはにー♭ 【Yoga Alliance US Teacher Training 200 修了(First class)】

ゆめ

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愛したひとは、愛するに値するひとじゃなかった? そんなまさか。だってやさしくしてくれたんだ。ときどき軽んじられたけれど。頭をなでてキスしてくれたんだ。ときどき置いてきぼりにされたけれど。かわいいねって抱きしめてくれたんだ。ほかの女の子にも同じことしてたけど。いちばんだったんだ、わたしが彼の。いつも不安だったけれど。わたしは彼の好みを体現できなかったから。煙草を吸わないし、やさぐれられないし、真面目だし、律儀だし。わたしは彼さえいればよかった。ただひとり、わかってくれる人が欲しかったんだ。そばにいて抱きしめて大丈夫だよって言ってくれれば、それだけで。おはようとかいってらっしゃいとか、それだけでよかったんだ。それだけ、それだけのことだと思っていた。人はそれぞれだったね。彼にはそんなの、全然重要なことじゃなかった。だからいくら頼んでも、かなわなかった。そもそも頼むことじゃなかったのかな。そしたらわたしも意地はっちゃって、だったらわたしも応えないんだからって。可愛げないのね。だってだってって。やさしくしたくせに、頭をなでたくせに、額にキスをしておやすみって言ったくせに、どうして面倒くさいなんて、重たいなんて、依存すんななんて、そんな勝手なこと。好きって気持ちは見せかけだったのかな。嫌なことがあると、すぐにいなくなっちゃって。どうしてすがったの、あたし。好きだったんだ、ただそれだけ。全然わからない。あなたはわたしのなにが好きだったの。なにも言わなかったから? 言うようになっちゃったから、うんざりしちゃったんだよね。わたし、求めすぎたんだね。あなたはそんな大人じゃなかったのに。わたしはわたしのことを受け入れてくれるあなたを、とても高尚な存在に仕立ててしまったのかな。だから、あなたの好き勝手を目の当たりにして、びっくりして、どうしてどうしてどうしてばっかりあふれてしまったのかな。神様はお願いなんて聞いてくれないんだよ、人の願いなんて、ただのひとりよがり。