食べるということ、
生き物は生き物食べて生きてんのよ。
せっかくの命は全部もれなく食べ尽くしなさいよ。*1
1日30品目口にするというのは自炊上手の上級者もしくはそういうひとと同居していないと、まずうまくいきませんよねえという話。
そもそも食べるものひとつ気をつかうというのは、自分の食事について検討する時間が必要になるわけで、深夜遅くまで仕事に追われている友人などは、もう外食しかできないから終電の帰り道でもこうこうと明るく照らされた牛丼をお腹に満たしてあとはとにかく早く帰宅お風呂入って終身翌朝に備えるという平日のある日の様。
たぶん30代になって、仕事もあるおかげである程度のものは自分の力で余裕をもって買うことができるようになり、健康という若いころは気にもとめなかったからだの変化を気にするようになったから、元来まじめすぎる思考回路がぐんぐん迷走して、特に去年ちょっとがんじがらめになっていた。
わたしはそもそもあまり食べられる方ではなくて、でも子どものころ、父親からとにかく食え食えと言われて育ち、食欲がなくてほとんど食べられない日が週末で目の前で食事を食べきれないことがあると、それはもうひどくなじられて、結果とにかく食べておいてあとで吐くというよくない習慣を身につけてしまった。
すると、いつしかつらいことがあると食べるようになってしまって、どうにかもう吐かないようにしたいしたいとは思いつつ、吐くと脳みそが爽爽となる開放感、そんな反作用まで得て10年来つづいてしまっていた。
2014から2015の年末年始にかけて、ひとりで自宅に残り、ひとりだと外食をするのもさみしいので寒いからとスーパーへも行かずただぼんやり打ちひしがれていたら、食卓をととのえ食事をするという「ちゃんとしなくちゃ!」から解放されて、食べることへの執着も消えて、すとんと2kg落ちたのね、まあ!
体重計がとどいて、毎晩毎朝それにのるのが楽しみだったって理由もあるのだろうけれど。
自炊に囚われるのをやめて、原稿が書きたいのであたたかい場所でその日そのとき食べたいなと思ったものを少しずつゆっくり口にして、時間を過ごすというのはとても健康的だとおもった。昨夜の話。無理して食べなくていいんだ。
正直、心身とも健康になってしまうと、原稿は書けなくなるなあって思うんですけれど。
いま、わたしちゃんの身辺はいささかうまくいっていなくて、でも、久しく書けないなあとうめいていた彼女は遠くなり、書きたいことがあるし、書きたいとおもえる、ふしあわせのこうふく。
なにもかもを手に入れることはできないみたいです。
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