ひとりで生きてる。
後悔って、ほんと後になって悔いることなんだなあと、いままでこの身で実感したことなかったよね、わたしちゃん。
モッサ(ねこ)は寒い夜も一匹で寒さをしのぐ方法を心得ているから、零度以下になった朝だって両方の前足をきちんとそろえて、なによって顔で通勤者たちを見るともなく見やる日常ができあがっている。
わたしの知らないあの子の生活を勝手に心配がるのは、もしかしてとても失礼なことなのかもしれない。
ひとりになっちゃったら、ひとりで生きていくんだろう。生きていたら、どうにか生きていくしかないもの。
天変地異とか不慮の事故とか突然の病とか、そういうシチュエーションしか想像してなかった。
たとえ取り残されても、わたしはひとり自分も後を追って終わりにしてしまいたいとか夜の底に半年くらい暮らすんだろうけれど、やがて間違いなく朝起きて友だちに会い、泣いて笑うようになるだろうって月日の経過をおもっていた。
かなしみが音をなくしてしまったら、もうほんとうに終わりなのかな。
それはほんとうに、かなしいね。