いま琥珀の杯に凝つて玉のやうだ 梅酒 死んだ智恵子が造つておいた瓶の梅酒は十年の重みにどんより澱んで光を葆み、いま琥珀の杯に凝つて玉のやうだ。ひとりで早春の夜ふけの寒いとき、これをあがつてくださいと、おのれの死後に遺していつた人を思ふ。おの…
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