かなしくなったら、魚の気持ち

生まれ変わったら一頭のくじらになりたくて できれば水素原子くらいちいさくなりたくて かなうなら素数のひとつに仲間入りしたくて ひとだからさきおとといのことを後悔します おやすみはにー♭ 【Yoga Alliance US Teacher Training 200 修了(First class)】

夏でも黒タイツ

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鏡を覗いた、そこにいるのはわたしなのに

ねえ、あなただれ、そう思うんだ

 

染めることをやめた黒髪

履けるようになった低めのヒール

ひきはじめた口紅

少し痩せた指にはめる金色銀色

爪先の紫 指先の白桃色とラメ

 

あのね、あの子の薬指はとてもきれい

すごく、いいなって思うの

すらっと伸びて、目立つんだ

銀の細工に金の縁どり

花と葉と波の連なる南国の模様

 

たぶん、わたしはきれいになった

 

そうね、鏡の向こう側からこちらを窺う

怪訝な顔色のあなたことが、存外わたしは嫌いじゃない

少しくらいやつれていたって、それはそれで魅力的だし

カメラの前で笑顔をつくるのはひどく苦手だけど

あなたには笑って見せることができる

おんなじように笑って返してくれるからうれしい

笑いかけるまでが、なかなか大変だったりするのだけれど

 

あんまり調子がよくないや。

 


せかいの喧騒から逃れるための手段として、

両耳を音楽で塞いでしまうことに少なからず抵抗感があって。

電車とか人混みとか、不特定多数の雑音に囲まれる環境はいまでもつらい。

耳から皮膚から呼吸から、侵入してくる不規則不規律の音も韻も

わたしには雑音でしかなく、それらは頭の中をあっというまに埋めつくし

それどころか、さらに浸食をすすめて逃げ場を失う。

 

下を向いて、関係ない関係ない関係ない知らない知らない知らない。

 

あきらめて、ヘッドフォンを買いました。

いや、いざというときのためにイヤフォンは持ち歩いていたのだ。

だけどね、きょねん今年と右耳トラガス&ロックをあけたため

ほんと絶妙な差しこみ具合ができないと、お耳が痛くて。

 

ヘッドフォン、爆音では聴かないルール。

あくまでわたしは、せかいとつながりつつ、

せかいにBGMを流したかった。

女性ボーカルの声しか聴きたくないのは、やっぱりまだ怖いのかな。……

男の人の声は、腕は、勢いは、どれも乱暴。

 

ね、おやすみって言ったら、おはようって返して。

おやすみ、せかい。

 

お題「行ってみたい国」 

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