ビオトープ
「だってあんたたち、お互いしかいないじゃない」
これはきのう、母に言われた。
「だけどそれって、ある意味うらやましいかも」
これは先日、友人がもらした。
友人の一言は、それこそ稀有なつながりなのかもしれない、という意味合いを含むものだった。
ふいにもらした一言以外は、いつまでたっても致し方ないという呆れと、わたし自身の不甲斐なさに対する、的確かつ合理的な指摘。
母の一言には、正直驚かされた。
なんとなく、わかっていたことなのだった。
たとえば、もとは一卵性だった受精卵がふたつの別人格を形成し、この世に生まれおちる変異現象。
ひとつだったはずなのに、離れ離れのふたつになってしまったような。
それって、俗にソウルメイトとか言うやつじゃんって思い浮かんだけれど、なんだか妙に軽々しいカタカナ音階で、恥ずかしくって言いだせなかった。
母は見抜いているもんなのだなあ。
そう何回も相対したことがあるわけでもないのに、呆気にとられた。
「あんたたち、お互いにお互いとしか引きあえないでしょう」
なんて。
「それが彼の、精一杯の感情表現なんじゃないの」
ああ。
そうねえ、確かに。
第一、わたしたちはいま、別人格なのだものね。
まあ、友人も母も、もう少し泳がせろ、などなど強気の発言もつけくわえてきて、なんともはや自分自身のこととなると、わけわからなくなるものよな。
ひとさまから告白された相談事なら、毒舌全開でぶった切るにな。
久しぶりに実家へ帰り、母のお着物レパートリーで着せ替えごっこをして(というほどのものでもなく、羽織っていろいろの帯をあわせてみただけなのだけれど)、なかなかなかなか、あっというまの1泊有給休暇でした。
おやすみ、ぱられるせかい。
中学生のころに、友だちが貸してくれて読んだ思い出。
確か、前世ではひとりの人格であったのに、現世ではそれがふたつに別れてしまったんだね、と占われるシーンがあったような……結構好きだった。
久しぶりに読みたいな。
サークルゲーム (1) (マーガレットコミックス (2764))
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