ぐつぐつ煮たったカレー鍋を、かき混ぜているような物語。
せかいの階層。
その最下層に存在している愛果ちゃんは、そのひとをしか知らないの。
ときどき、ひとつ上の階層について、そのひとから聞き知る。
そのひとは、愛果ちゃんとは違うから、ひとつ上の階層に存在する世界に出入りすることができる。
その階層のずっとずっとずっと上、ピラミッドって敬称される四角柱なんかのてっぺんに神様って存在がいて、無から有をつくったのですって。
神様は、ぐつぐつ煮立ったカレー鍋をかき混ぜるようにして、せかいをつくり、
ぐつぐつ煮立ったカレー鍋のせかいでも、新たにぐつぐつ煮立ったカレー鍋が幾百もかき混ぜられた。
何百何千何万回、てっぺんにいる神様からつづくカレー鍋。
そのくり返しの果ての果て、愛果ちゃんのせかいにたどりつく。
おやすみ、このせかいはあんしん。
今週のお題「梅雨の風景」
わたしちゃん家の非常食としてストックされている缶詰さん。