かなしくなったら、魚の気持ち

生まれ変わったら一頭のくじらになりたくて できれば水素原子くらいちいさくなりたくて かなうなら素数のひとつに仲間入りしたくて ひとだからさきおとといのことを後悔します おやすみはにー♭ 【Yoga Alliance US Teacher Training 200 修了(First class)】

ヤマアラシのジレンマなら、ずっとよかったのにね。

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わたしはまた、おなじ理由で傷つきたくないんだ。

おなじ理由で、相手を罵りたくない。

自分より、相手が大事だった。

だから、というのは理由にならないことに気づかずに、勝手に信じていた。

やがて、どうにもうまく噛み合わなくなった。

相手の言い分が理解できなくて、どうしても理解できなくて、

わたしは相手の言動をかなしいと感じ、

一方の相手はわたしのかなしいを理解できず、

なんでわからないのわからないんだよの応酬に終わった。

相手は、わたしのことより、自分のことの方が大事だと言った。

あのときようやく、ああ、違うんだ、と受け入れなくてはならない

決定的なズレがわたしたちのあいだにはあったのだと自覚した。

それは、とてもかなしい事実だった。

わたしは、これっぽっちもそのことに気づかずに過ごしてきて、

いつかいつかを夢見て、信じてきてしまったのだった。

勝手に、理想を押しつけていた。

だって、楽しかったし、それなりに気もあったし、

なにより、こんなわたしと一緒にいてくれることにたいそう驚いた。

わたし自身、居心地がよかった。

物語は書けなくなっていたけれど。

きっと、互いの存在を当たり前にしてしまったから、

わたしは飽きられたし、

わたしは一人でいることにいっそう耐えられなくなってしまった。

気づかなければいいのに、気づいてしまうからいけなかったのかもしれない。

我慢すればいいなんて、そんなのしあわせじゃないもの、

我慢しようなんて、これっぽっちも思えなかった。

それは、いまだって変えられない。

封じ込めていたかなしみが、押し寄せてくる。

わたしは勝手に壊れてしまった。

あなたが、どうしたいのかわからない。

わたしは、考えない。

なかったことにして、かろうじて日々を重ねている。

できたら、そんな時間は早めに終わって欲しいと願うけれど、

もうしばらく、そんな時間はつづいていくようで、

もしかしたら、しんじゃうまでつづくのかもしれない。

そんなこと言って、自分はもしかしたら災害で命を落とすかもしれない。

でも、不慮の可能性まではいちいち思い馳せていられない。

ずっと、ずっとかなしみに溺れて、池の蓮の葉の下から、

かすかな薄日を頼りに、かろうじてわたしというかたちを保っている。

雨が、水面を打ちつける。

激しくなり、わたしのせかいは澱んでしまう。

 

おやすみ、せかいの底に沈むうみ。

 

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土星の徴しの下に

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