それはまるで、お腹いっぱいに甘いあまいお菓子をつめこんだ、その果てに見るしっちゃかめっちゃかの浅い夢
病院行った日の、ごほうび ドーナツ。
明日の朝ごはんドーナツも買ったですよ。
お腹の中身をいっぱいに満たして、それで満足したつもりになって。
せっかく病院へ行ったのに、話せないこと、うまく説明できないことが、頭のなかでぐるぐるしたまま、先週ウイルス性腸炎になってしまってとか、最近とても喉が渇くのですが、たぶん薬の副作用のせいですよねとか、薬を飲み忘れて出勤してしまった日があって、持ち歩いているピルケースも忘れてきてしまっていて、大変でしたとか(どう大変だったのか、後から思い返すとよくわからないのだ、たぶん気怠さだとか、気分の悪さだとか、どうしようもないなにも手につけられない焦燥感だとか、そういったものがどっと押し寄せてくる)、だいぶ胸痛もおさまって、早朝覚醒もほとんどなくなってきました、むしろ早起きの習慣がついてよかったなって、そんなあっさりした近況報告。
だってね、ほかに言いようがないの。
兎の姿のワッフルが、声高らかに「アハハハハ」と笑って踊って、小人のミンツたちをわたしの脳内に放つのよ。
それはまるで、お腹いっぱいに甘いあまいお菓子をつめこんだ、その果てに見るしっちゃかめっちゃかの浅い夢のよう。
わたしちゃんは、甘いあまいゆめをぜんぶ、ぜんぶ手にいれようとして、お腹を壊してしまった。
腸炎は癖づく。
わたしちゃんを、立ちどまらせる。
おなじ後悔を、くり返す。
それでもいいじゃんって思っているわたしがいる。
きっと、お菓子たちはわたしちゃんを馬鹿にする。
「アハハハハ!」
そうね、わたしちゃんは言ってた、「助けてよ」って。
「ちゃんと助けてよ!」
わたしちゃんは、いったい何を喰べすぎましたか。
あのね、ふいに泣きそうになったんだ。
こわかったの。
自分が、傷つくことが。
そのことをふいに思いだして、もうずいぶん長いあいだ、忘れたふりをしていたのに、午前中仕事をしながら、パソコン画面が揺らぎそうになって、あわてた。
おやすみ、せかいのはての舞踏会の晩。