あなたの小さな緑の古宝玉
ベランダの、学名ハイドランジア。
やがて濃いピンクへと染まる萼が、淡く色づきはじめた。
梅雨入り翌日さっそくの梅雨晴れ間、早朝、洗濯機をまわした。
淡い淡い。 五月が過ぎて、六月が来た。
桐の花を知らなかったよ。
桐箪笥という家具の名でしか認識していなかったから。
つりがね様の花が鈴なり枝垂れて、
薄紫の淡い花色が枝葉をすっかり覆うんだ。
辞書ひきあそび。
あれを、なんて呼んだらいいのかわからないのだけれど。
気になったことばをひとつ、辞書でひいて。
そこからまた、つぎのことばをひろって、辞書をひいて。
くり返し、ことばをひろって、辞書をひいて、
元に戻ってきてしまったら負け、という一人でもできるあそび。
白秋さんの随筆は、今夜はじめて読んだのだけれど。
ふしぎね、季節がかさなって。
辞書引き遊びみたいねって、わたしちゃんが言った。
……今週のお題「雨の日が楽しくなる方法」
古い小さな緑玉(エメロウド)は水晶の函に入れて。
おやすみなさい、植物園の夜。 そして、せかい。
大学卒業の時、ゼミの先生にこの新明解第3版を記念にいただいた。