かなしくなったら、魚の気持ち

生まれ変わったら一頭のくじらになりたくて できれば水素原子くらいちいさくなりたくて かなうなら素数のひとつに仲間入りしたくて ひとだからさきおとといのことを後悔します おやすみはにー♭ 【Yoga Alliance US Teacher Training 200 修了(First class)】

❀Sakura❀

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❀Sakura❀

 

血がつながっていたら、きっとこんな簡単に、家族をあきらめなかったでしょう。

わたしね、家族になりたかったんだよ。

ただ、仲良しこよしするだけの相手なら、いくらでもつくれるじゃない。

わたしは結局最後まで、あなたにとっての家族にはなれなかったんだなあ。

家族になる、という覚悟がついていたのは、わたしだけだった。

あなたは、そのことについて、ごめんって言ったんだ。

でもさ、そんなのってないよね、笑っちゃう。

なんとなくそんな気はしていたんだ、だからいろんなことに必死になった。

必死に脇を固めて、周囲にアピールして、しあわせですって自分までごまかしていたのかもしれない。

一緒になるって、家族になることだとおもっていたの。

血はつながっていなかったけれど、つながってゆくものだと思っていたの。

血がつながっていたって、わたしたちはわからないことだらけで、うまくいかないことがたくさんあって、傷つけられたり、傷つけたりする。

それでも、血がつながっていたら、最後の最後のところで、それでも家族だからって、なるものでしょう。

ならないものかな。

わたしちゃん、存外生ぬるい家庭環境で育ってこれちゃったから、きっと恵まれちゃってて、家族でも見捨てるのなんか当たり前とか、そういうの目の当たりにしたことなくて、だからきれいごと、正しいらしいこと、全部あからさまにぶつけてしまったんだろう。

あなたは、わたしのそういうところが嫌だって言った。

言われてわたしは、ああ、もしかして自分は、ものすごい高望みをこの人にしてしまっていたのかもしれないと驚愕して、ひどく怯えた。

そうだ、怯えてしまった。

このひとは、じわじわと長い長い時間をかけて、わたしをふしあわせにしてゆくのかもしれない。

そんな気持ち、あなたにはさらさらないのに。

ただ、あなたはいまという目の前の瞬間を謳歌したいだけなのに。

わたしちゃんは、それでは不安を募らせてしまうから。

話せたらよかった。

でも、そんな根本的なコミュニケーションと取り方からして、あなたとわたしとのあいだではズレてしまっていたのだと、大部分はわたしが我慢して過ごしてきてしまっていたことについて、もう我慢できませんと声をあげたら、簡単に崩れてしまった。

ああ、知っていたじゃない、言われていたじゃない。

わたしちゃんのことを、俺はわからないって。

もう数え切れないくらい、何十回も。

ばかちんだなあ、それでも楽しいことはたくさんあったから、カバーできちゃってると思ってたんだ。

いつも、見て見ぬふりしていたのかな。

気がついたら、わたしちゃん、ぽしゃってしまっていて、ええと、これはどうやったら這い上がれるんだろう、こんなあからさまに体調に負荷がかかることなんていままでなかったから、いっそう面食らってしまって、あなたのことがこわいです。

そして、わたしちゃんのことを好いてくれる人々、みんなのことがこわいです。

いつ、もう無理っていわれるかしらない。

今夜、ひとつお別れをするのです。

待ち望んでいた、と同時に、一生こなければいいと望んだ。

耐えられるだろうか、やがてきみもわたしのことが無理になるかもしれないし、いまはまだそうではないけれど、しばらく、年単位で簡単には会うことができなくなるのだ、わたしちゃんたちは、きみに寄りかかってしまった、それをしてはいけないとおもっていたのに、きみのやさしさにつけこんで、束の間の蝶番のような安心を。

まあいいか、壊れてしまったら、きっとまた小説が書けるし、見知らぬ感情はつらかったりかなしかったりしんどかったりさみしかったりするけれど、わたしちゃんにとっては好都合だったりもするのだ。

ありきたりのハッピーエンドなんて、つまらないのね。

わがままだね、わたしちゃん。

 

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