朝がすきでした。
ーーあたしは本来、楽しいと思えるものが思えなくなったら行くよ。
彼女はいつだって前向きで将来設計も完璧でとにかくぬかりのない強い女の子だと思っていた。
鬱だと聞いたのは、つい先日のこと。
話を聞いてもらうために会いにゆき、二人ともおおいに笑い、楽しく過ごして、じゃあまたねと別れたあと、夜になってメールで告白された。
だからあんなに完璧すぎるくらい情報収集していたのかもしれない、突き抜けたように笑い明るく振舞っていたのかもしれない、わたしばっかりなぐさめてもらってしまった。
彼女からきのう、スイソもうはやく病院行きな、と連絡がきた。
共通の友人たちのグループ内に、いよいよわたしが身の回りのことに手が回らなくなり、たすけてくださいと言ってしまったから。
あまりに情緒不安定で、これまでひた隠しにしてきた部分をみんなに晒してしまった。
いまは保険証待ちなので、会社に名義変更されたものが送られてくるのを待つしかない。
しあわせになりたかっただけなんだ。
どうしてうまくいかなかったのか、未だによくわからないんだ。
がんばっちゃったから、もう無理ってそれしか言ってもらえなくて、ときどきひどく不機嫌な態度で突き放されるから、それが余計につらい。
しあわせになりたかっただけなんだ。
わたしは仕事に通えているし、そりゃあ電車の中で泣きそうになってしまったり、仕事中も画面見ながら頭の中はどうしてなんでがあふれてやっぱり泣きそうになったり、たまにだった左胸の痛みは、年明けくらいから夕方毎日、やがて午後になると、いまは朝からずっと、そんな状態だけれど、それでも笑えるし、空元気で乗り切ることもできるし、まだまだこの程度でしょう。
だから、きっかけがわからなかった。
だって、ここまでひどくはなかったけれど、ずっとむかしから、こういう感じとはつきあってきたんだよ。
なんとかかんとか毎日過ごして、今日こそはしななくちゃとか思っていた日々もあったし、でもいまはそうは思わないようにコントロールできているし。
時間が経てば落ちつくはずだって、だってずっとそうしてきたんだもの。
この5年間、ちょっと明るすぎて、わたしでもしあわせになれるのかもしれない、なんて思うくらい、このまましあわせになれるんだって思っちゃって、自分のことぜんぶ見せちゃったら、追いつめてしまったみたい。
でも、あっちにだって不誠実なところはあったんだよ、それは確かに。
だから、スイソちゃんばっかり悪いわけじゃない、だって誠実ささえ与えてもらえれば、こんなにこわれずに済んだはずだもの。
わたしのこと、大勢の中のひとりみたいにしたから、わたしちゃんたちは泣きわめいた。
ヨガに行けば、元気なくてもヨガにいければ、気持ちがすっきりしていた。
朝、太陽がまぶしくて、空がつきぬけていたら、それだけでよかったとおもえた。
リセットするきっかけが、どちらもうまく作用しなくなっていた。
朝がすきでした。
朝の光のなかでヨガができたら素敵だななんて、思っていたの。
近所の喫茶店で、原稿を書いたり朱入れしたり、したいの。
気負いせず、ご飯を食べに出かけたいの。
前は、休日でも、朝だ! って起きだして、掃除洗濯して、気持ちよく過ごせていたんだった、そういえば。
いまは、起き上がれない。
いやだな、こういうの。
書かなくていい。
それにやっぱり、わたしなんかよりつらいひとはたくさんいるもの。
さみしさに押し潰されそうなの、彼がいてくれれば、それで大丈夫だったの、それなのにらいらないって言われて、もう他人にされて、頼れば頼った分だけ期待してしまった分だけ傷つくの。
馬鹿だから、未だに期待したりして、だから余計に傷つくの。
もうこれ以上、傷つけないでよ、お願いだから、わたしは信じてしまうから、誠実さなんてないってこと、デリカシーなんてないってこと、もうわかったよ、それでもいまはまだ一緒に暮らしているから、ほんとうは2月末までは夫婦のはずだったから、お願いだからたすけてよ。たすけてよ、
マリーちゃんは元気になるよー! でも連載終わっちゃったよー(/□≦、)
ノープロブレム精神 :;(∩´﹏`∩);: 見習いたい。
インドでキャバクラ始めました(笑)(1) (ワイドKC モーニング)
- 作者: 沼津マリー
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/09/22
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