かなしくなったら、魚の気持ち

生まれ変わったら一頭のくじらになりたくて できれば水素原子くらいちいさくなりたくて かなうなら素数のひとつに仲間入りしたくて ひとだからさきおとといのことを後悔します おやすみはにー♭ 【Yoga Alliance US Teacher Training 200 修了(First class)】

*春

セラムンも夢も魔法も冒険も少女漫画はなかよしだった

うたの日 短歌 2020-0026 セラムンも夢も魔法も冒険も少女漫画はなかよしだった 低気圧襲いかかればやまいだれまみれの朝だ、おふとんの国 好きだったときのあなたはイケメンで冷めればただのダメンズだった 【kindle ことことこっとん】 美少女戦士セーラー…

道ゆきは未だ定まらないけれど たんぽぽの花 綿毛となりぬ

うたの日 短歌 2020-0027 いくつもの小さな森が弁当の隅を彩っているブロッコリーる 車窓から臨む生活いくつものお隣さんでつながつている 道ゆきは未だ定まらないけれど たんぽぽの花 綿毛となりぬ 【kindle ことことこっとん】 スケーター 弁当箱 曲げわっ…

🌹 不確かな明日のことは後にして湯船に浮かぶアヒルみたいに(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0025 ✿不確かな明日のことは後にして湯船に浮かぶアヒルみたいに 身が先か穴が先かを問いぬればオールドファッション哲学となる 謎めいていた方がほら魅力だしアカウントなら8つ持ってる お題「気分転換」 【kindle ことことこっとん】 …

くじらの歌う唄-05(5・終)楢﨑古都

くじらの歌う唄-05(5・終)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/GtAgxldESL— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月23日 財布だけ持って、テレビを消し忘れた部屋を後にする。マンション中にわたしたちの声を響かせてやりたくて…

くじらの歌う唄-05(4)楢﨑古都

くじらの歌う唄-05(4)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/DaUfrvNlnQ— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月22日 「祥子ちゃんの指、気持ちええなあ」 お風呂から上がると、わたしは京子の髪の毛にドライヤーをあててやった。…

くじらの歌う唄-05(3)楢﨑古都

くじらの歌う唄-05(3)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/d7XBQDrOvh— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月21日 「クジラの唄、聞きながら思ったんよ。ああきっと、クジラは海の底で恋をしたかったのやわって。くうちゃん、…

くじらの歌う唄-05(2)楢﨑古都

くじらの歌う唄-05(2)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/29MlF0VSlC— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月20日 「祥子ちゃーん、お風呂入ろうよー」 浴室から、京子が顔を出している。湯舟の蛇口がひねられて、熱い湯の噴き…

くじらの歌う唄-05(1)楢﨑古都

くじらの歌う唄-05(1)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/PlpPT46u3S— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月19日 睫毛の長い丸顔の女性アナウンサーと、六十を過ぎても独り身の男性アナウンサーの、間の抜けたやりとりが聞こ…

くじらの歌う唄-04(5)楢﨑古都

くじらの歌う唄-04(5)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/kd29HVh4gL— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月16日 やがて、周回していたメスも去ってゆき、京子の手からは力が抜けた。自由になった腕をさすりつつ、京子のまぶ…

くじらの歌う唄-04(4)楢﨑古都

くじらの歌う唄-04(4)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/exIfbmrbZ8— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月15日 まるで人間みたいやんか、と京子が眉をしかめるのは、朝のテレビニュースやなんかで、クジラの集団座礁のこと…

くじらの歌う唄-04(3)楢﨑古都

くじらの歌う唄-04(3)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/dr8Tc3Sy9X— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月17日 外国の、あまり広くはない砂浜だった。黒い流線型のかたまりが、何十体も波打ち際に打ち上げられ、並んでいた…

くじらの歌う唄-04(2)楢﨑古都

くじらの歌う唄-04(2)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/FNN4WlZ0ew— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月14日 胃の中のものを全部吐きだすと、京子は顔を洗い、歯を磨いて戻ってきた。吐いた後の顔はいつも腫れぼったく涙…

くじらの歌う唄-04(1)楢﨑古都

くじらの歌う唄-04(1)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/NUPS4RoavB— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月13日 「クジラとイルカの違いって、何か知ってる?」 京子は新聞をとっていなかった。代わりに、一か月分の番組表が…

くじらの歌う唄-03(2)楢﨑古都

くじらの歌う唄-03(2)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/qkUzfnEru0— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月12日 男の顔には表情がなかった。怒りや悲しみを内に抱えているようでありながら、口元や頬は引きつった笑みを浮か…

くじらの歌う唄-02(3)楢﨑古都

くじらの歌う唄-02(3)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/jfRY86oy1B— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月10日 お腹をさすっていた京子の指先が、わたしの髪を撫でた。うなじに触れ、喉元から鎖骨、さらには左胸へと下りて…

くじらの歌う唄-02(2)楢﨑古都

くじらの歌う唄-02(2)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/gWWuzbmhOt— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月9日 「祥子ちゃん」 京子がわたしの名前を呼ぶのを、どこか遠く、懐かしい気持ちで聞いた。 京子の仕事が休みの日だ…

くじらの歌う唄-02(1)楢﨑古都

くじらの歌う唄-02(1)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/x4F74OKzcv— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月8日 京子は大抵、深夜遅くにおぼつかない足取りで帰ってきた。お客に飲まされているのかと思ったら、そうではなかっ…

くじらの歌う唄-01(4)楢﨑古都

くじらの歌う唄-01(4)|楢﨑古都 @kujiranoutauuta #note #熟成下書き https://t.co/LeHjYFwtgj— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月8日 京子は、決してつくり笑顔で他人と接しているわけではなかった。けれども、集団にまみれたあやふやな一面は、…

くじらの歌う唄-01(3)楢﨑古都

くじらの歌う唄-01(3)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/CRPbecOLIf— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月6日 血液が頭の芯から清流のごとく引けてゆく感覚は、まるでランナーズハイにでも陥ったかと思わせる気分にさせた。…

くじらの歌う唄-01(2)楢﨑古都

くじらの歌う唄-01(2)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/P7XTuOrHmM— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月5日 わたしたちのつながりは、幼い頃、女子児童たちが連れだってお手洗いへ行っていたのと似ている。男子たちには一…

くじらの歌う唄-01(1)楢﨑古都

くじらの歌う唄-01(1)|楢﨑古都@kujiranoutauuta #note #熟成下書きhttps://t.co/Pe3BLBJzAh— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2020年3月4日 傍らに眠る京子の後姿を、ブラウン管から発せられる青い光が照らしている。テレビの音量は消してあった。壁に映…

一輪の栞を綴じて返しますあなたはきつと気づかないから(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0017 好きだった青空だった冬だった永遠なんてことば信じて 一輪の栞を綴じて返しますあなたはきつと気づかないから 結び瘤ほどけないやうきつくして来世もきつと会へますやうに 今週のお題「卒業」 【kindle ことことこっとん】 天使の…

春風がスタッカートでやってきて八分休符でつぼみほどけた(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0016 梅ふふみ菊桃ひらき花咲かむあたたかき午後山辺に来たる 羽化を待つ妖精たちは春告げるミモザの褥ひめやか眠る 春風がスタッカートでやってきて八分休符でつぼみほどけた 【kindle ことことこっとん】 春風 発売日: 2017/04/01 メデ…

賜りし我が祝別のロザリオに春のきざしぞふりそそぎける

落選短歌_2020_01 君たちの踊りあがるる春待ちぬ風邪気などには負けてくれるな 賜りし我が祝別のロザリオに春のきざしぞふりそそぎける 今日からは新しい靴 新しい通学路 春、小石蹴りゆく 「来来よ」人懐っこい帳くんのひょろ長い腕八重歯が白い かたちから…

バス停で誰を待つのか春色のストールふうわり日差しを孕む(楢﨑古都)

うたの日 短歌 2020-0014 ミルフィーユ生地を一枚ずつ剥がすやう猫も手癖も剥がされてゆく バス停で誰を待つのか春色のストールふうわり日差しを孕む あのねのね、わたしとつてもうれしいの あなたがいて、わたしがいること 【kindle ことことこっとん】 プ…

春暁や白雪姫は夢のきは(楢﨑古都)

俳句2018(楢﨑古都) 水温むほとり死にゆくオフィーリア 春暁や白雪姫は夢のきは 歌声と桜蘂降る日曜日 玉繭のごと生なれやここは海 ほおほおとミルキヰセピア木菟の森 別れ霜文字列に君生きてをり お題「ひとりの時間の過ごし方」 【kindle ことことこっと…

わたしちゃんよ、続報を待て――

ただいま。おかえり。 仕事を、というか、いまの会社を辞めようかな……って、本格的に。 わたしはむかしから、ひとつめは失敗してふたつめでうまくいく そんな星まわりのもと生きているそんなふうにおもって数々のかなしいや後悔や失敗をぜんぶ、一回目だった…

【入選✿】第4回「商家に伝わるひな人形めぐり俳句大賞」H29俳句入選

✿入選しました✿ 「雛飾るたなごころからたなごころ」 楢﨑古都(ならざき・こと) ■ 短歌のこと きょねんの夏、短歌というたった三十一文字の歌のせかいにふれた。*1 小説のように連続してゆくものがたりのなか、登場人物たちの機微を 味わうそれとは異なり…

【B-39】文学フリマ東京☺2018春夏号「星屑と人魚と夢二」

今週のお題「ゴールデンウィーク」@ 5月6日(日) 流通センター あしたのじゆんび、まずはおつめを撫子色にとつぷり✿―― る る る る 。。❀— ✿すいすい✿ (@kujiranoutauuta) 2018年5月5日 あ・し・た・!!!! ――なので、いちおう告知を。 名物ターリー屋さん…

転機ねえ……

子どものころ大好きだった、ものがたりのせかいの切れ端みたいな。 短歌は、歌の数だけ、無数の切れ端が泳いでいる感じ。 なんだろな、ちょっと「こいのぼり」っぽい気もする。 (上手なひとたちは、この掴みがたい気持ちをうまく歌ってくれるん だが、わた…